VirtualBoxの速度低下(WSL2と共存時)が修正されました ― 2025年08月27日 13:35
従来は、isoファイル(そのまま使えるライブメディア、インストールメディアを兼ねたもの)が教育用メディアとして一般的でした。
最近は、CAEソフトの設定まで済ませたovaファイル(VirtualBox用)やWSL2用のtar.gzファイルでの配布が増えています。
作り手、使用者共にメリットのある配布方法です。
売りは、ova (Best possible experience out of the box)、WSL2 (Ready to use distribution)です。
ovaファイルの例
オープンCAE勉強会@富山 openfoamのVirtualBox仮想マシン
tar.gzファイルの例
近頃、VirtualBoxが頻繁に更新されています。ARM対応が最大の話題となっていますが、x86_64ユーザーも効果のあるアップデートです。
ブログにアップロード済の2025年7月上旬のデータを用いて説明します。WSL2とVirtualBoxが共存している場合、VirtualBoxでの計算時間がネイティブLinuxの2.9倍かかっていました。 オープンCAEソフトの計算速度の比較
これはVirtualBoxのゲストOSから、avx、avx2機能が見えず、Nehalemにフォールバックしたことが原因でした(OpenBlasをコンパイルすると、コンパイルしたライブラリがNehalemになっていました)。
この問題がクローズアップされたのは、RHEL-10および互換OSのハードウェア案件(x86-64-v3:Haswell以降)を満たさないため、インストーラさえ起動できないことです。
以下のURLに示すように、Ver.7.1.12以降は、avx/avx2がマスクされる問題がfixされたとのことです。
https://github.com/VirtualBox/virtualbox/issues/36
最新版のVirtualBox-Ver.7.2.0により、確認した結果が添付図です。 前回と同様にメッシュを4分割して、4並列のMUMPS解法(BLASの性能がそのまま出る条件)としました。
VirtualBoxでの計算時間がネイティブLinuxの1.3~1.4倍に改善されています。
コア数が同じであれば、WSLはネイティブLinuxの1.1倍程度で計算できます。
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