Linuxのネイティブと仮想環境での計算速度(直接法MUMPS)2025年08月15日 18:42

補足説明付きの資料はElmerのフォーラムにアップロードしました
有限要素法で使用される解法は、大きく分けて、反復法と直接法があります。

CyberNetに概要が記載されていたので、紹介します。
反復法とは、初期推定値を計算し、収束するまで反復する処理によって解を得る方法のことです。このような方法を用いるソルバーを、反復法ソルバー(iterative solver)と呼びます。...良条件のマトリクスでは、直接法ソルバーよりも計算時間が短くなることが期待できます。一方、悪条件のマトリクス(不安定なモデルや、ビーム/シェル構造など)では直接法ソルバーの利用が適切です。
https://www.cybernet.co.jp/ansys/learning/glossary/hanpukuhou/

直接法とは、連立線形方程式の直接消去法に基づく数値計算手法です。
直接法で解析する場合、反復法に比べてディスクまたはメモリー容量の消費が大きくなります。...直接法では、精度が低下することはありますが悪条件のマトリクスでも解の生成が困難になりません。直接法では方程式に特異性がない場合、常に解が得られます。
https://www.cybernet.co.jp/ansys/learning/glossary/chokusetsuhou/index.html

現在は、RAM、ストレージが大容量化しているので、直接法は中小規模の解析で使用されることが増えています。
英文ですが、2件の参考資料を紹介します。

Elmerの資料:下側にあるフローチャートがわかりやすい
https://github.com/ElmerCSC/elmer-linsys

SimScaleの資料:最後のSummarizing FEM Solversがわかりやすい
https://www.simscale.com/blog/how-to-choose-solvers-for-fem/

Elmerにより丸棒のネジリ問題の解析を直接法のMUMPSにより、各種条件で計算速を比較しました。
VirtualVBox、WSL2の仮想環境であっても、実機の80%~90%の速度がでました。
Linux環境において、nvidiaのカードの機能を使う場合(WSL上のcudaではUbuntuのみ対応)、RAM・CPUを最大限活用する場合には、デュアルブートが魅力的です。

なお、以下のElmerフォーラムに計算速度の表に加えて、計算モデル、計算結果の変位・応力図などを含めて投稿しました。
https://www.elmerfem.org/forum/viewtopic.php?t=8756

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